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心のベクトル

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自宅から市役所までの道のり・・・片道徒歩30分。
昼休みにも一度自宅に帰っているので、ほぼ毎日合計2時間歩いています。

どこまでも広がる渇いた大地を眺めながら歩きます。
今年は雨期に入っても全然雨が降らないので、ボリビア国内(特に西側のアルティプラーノ)では既に旱魃で苦しんでいる地域もあるとこの間ニュースで見ました。
パタカマヤも例外ではないようですが、最近は場所によっては地面に苔のように緑色の部分も見えるようになってきました。

新宿駅サザンテラス口から職場に向かっていたときよりもゆっくりしたペースで歩きます。
途中でいつも立ち話をする商店のおっちゃん、おばちゃんに挨拶しながら。
明らかに興味は持っているけどETのような存在である日本人をただ見つめるだけで、なかなか声をかけてこない登校中の子供たちに時々笑顔を見せながら。

iPod から流れる音楽を聞きながら歩いていることは昔も今も同じです。
ただ違うのは・・・
ちょっと視線が上に向いてるかな。
色んな景色が目に入ってきます。
そして、昔より胸にたくさん空気が入ってくるかな(酸素量は少ないけどね 笑)。
埼京線に乗って通勤していたときは沢山の「~しなきゃ」でできた塊みたいな胸のつかえがあって呼吸を邪魔してた気がします。

2時間も歩いていると嫌でも色んなことを考えます。
あぁでもない、こうでもない、って。
取り留めもない考えをまとめるのは難しいことですが、今日は一つ考えたことを書いてみます。


途上国に行ったことのある人は、よくそのとき感じたことを「モノはないけど、彼らの瞳はキラキラしていた」とか「途上国には日本人が忘れてしまったものがある」とか言って表現することが多いと思います。
僕も同じようなことを昔言った気がします。
でも、最近はあんまり好きではないです・・・というかできるだけ使いたくないです。

これらのフレーズって、それだけで聞いてる人に何となく伝わっちゃう気がするんです。
日本の書店には途上国の人々(特に子供)の笑顔を集めた本さえ並んでいると思います。
彼らの笑顔の何がそんなに魅力的なんでしょうか?
日本人にはない何かがあるんでしょうか?
途上国の人々が未だに持ち続けている日本人が忘れてしまったものって一体何なんでしょうか?
僕は自問自答してみました。
そして思ったんです。
上に挙げたフレーズを使う際には、これらの疑問に対しての説明がなくても何となく聞いている人には伝わってしまうんじゃないかと。

何だか僕はそれが嫌でした・・・

何で途上国の人々の瞳はキラキラして見えるんだろう?
日本人が忘れてしまったものって何なんだろう?

・・・

僕の知っている狭い世界の中で今の僕が辿り着いた一つの答え。
それは、「心のベクトル」の向きです。
日本人が途上国(または広く海外)に行く時、僕らの心のベクトルは外に向いています。
窮屈な、そして時に退屈ないつもの場所を離れ、色んなしがらみから一時期解放されて。
そして、肌を通して感じるもの、目から、耳から、鼻から、口から入ってくる全てのものが、未知で新鮮な刺激を与えてくれて。
心のベクトルはいつになく外へ外へと伸びているはずです。

そのとき見るその国の人々の笑顔、つたない言葉で交わす他愛無い一つ一つの会話、ちょっとした優しさ・・・それら全てを外へと伸びた心のベクトルが敏感にキャッチして、僕らの心の中へと取り込みます。
深く、そして広く、それらは浸透していきます。
普段使っていなかった沢山の心のひだを揺らしながら。

確かに途上国の人々の瞳はキラキラしています。
子供の人懐っこい笑顔を見ると、本当に「心が洗われる」気がします。
でも、それって途上国の人々の専売特許なんでしょうか?
日本人の笑顔だって負けてないんじゃない?
きっと、目を向ければすぐ傍に素敵な笑顔たちが転がっているはず。
ただ、心のベクトルが、僕の心のベクトルが、内側に向いているばかりにそれを見落としていただけなんじゃないかな。
一体どれだけの時間を自分自身だけを見つめながら過ごしてきただろうか・・・
日本人が忘れてしまったもの・・・というか僕が忘れがちなこと。
それは自分の心のベクトルを外に向けることなんじゃないかなと。

途上国の人々と日本人との違い・・・というより、一人の人間の中での違いかな。
だから僕は、途上国を必要以上に美化したり、日本を必要以上に卑下したくはありません。

心のベクトルをちょっと外向きに。
今いる場所、状況がどうかっていうのは間違いなく重要で大きな影響はあるけど、それが全てを決めるわけじゃない。
これがボリビアに来てからの僕が学んだことです。

きっとこの景色の中にもキラキラ光るものがたくさん転がっているはず。
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ちょっと方向を変えてみよっか。
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Comment

2009.11.17 Tue 02:12  |  久しぶり~。

 心のベクトルの話、興味深く読みました。なるほど…。確かにそうかもね。

でも多少は、場所や環境、状況によってはベクトルは影響されるんじゃないかなぁ。
分刻みで仕事に追われていたり、大きな問題を抱えていっぱいいっぱいだったり…。でもそれをどうとらえるかは、心のベクトルの向け方によるんだろうね。

 難しいなぁ。理想と現実の差が大きいなぁと自分をみて思うよ。

最近車の運転ばかりで、歩く事がほとんどないよ。時間をかけて、近所の人と顔を合わせながら歩くのって素敵な事だなぁって思った。
では、またね~♪

  • #-
  • ふみ
  • URL

2009.11.17 Tue 11:38  |  

ん~、なるほど。

確かに「途上国の子の笑顔」はかわいい。
「日本の子の笑顔」もかわいい。

俺は仕事柄子どもに接しているし、接していたから両方かわいいって思う。

ただ、実際に日本人は海外に行かないと仕事の呪縛から解き放たれないんちゃうかな?
国内にいたら、子どもたちが遊んでいる時間にその笑顔のそばにいないだけ…日本の子どもの笑顔に物理的に会ってないだけなんじゃないかって気もするね。

「世界中どこでも子どもの笑顔はかわいい。」

さらに心のベクトルを外に向けてみるわ~!

  • #-
  • まちるだ
  • URL

2009.11.17 Tue 18:51  |  

ふみちゃん

今ボリビアにいるからこういうことを書けるんだろうなっていうのはよーく分かってます・・・
実際日本にいたときの自分は「心のベクトル」だとかどうとか考えてられなかったしね。
ただ、例え「理想的」にしか思えなかったとしても、僕はここで思ったことや感じた一つ一つのことを忘れないでいたいなって思います。
一番大事なのはこの2年間が終わった後だから。
ふみちゃんも日々忙しくしてると思うけど、健康第一でがんばってね!


まちるだ

さすが子供に大人気のまちるだ先生。
きっとネパールの子供たちの笑顔も淡路島の子供たちに負けないくらいかっわいいんだろうね!
確かに言う通り、物理的に笑顔に出会う機会が少ないのも事実・・・
でも、あくまで僕の場合だけど、子供に限らず、例えばご近所さんや職場の人とか、すぐ近くにいる人たちの魅力を僕はそこまで見出してなかったかも・・・って今になって思うことがあるんだよね。
とりあえず、こっちで思ったことをあっちでも実践してみようと思います。





2009.11.25 Wed 15:19  |  

そうなんだよ!
私日本で先生してるときに、「最近のこどもは・・・」とかいう言葉をテレビで聞くたびに、うちのクラスの子たちをみにきて!って思ってたもん。

ほんとにみんな窮屈な日本の社会のなかできらきらしてたよ~*

ちっちゃいながら、どうやったら日本がもっと楽しくなるか真剣に考えたり、そのためにはまず自分の友達や家族を大切にすることからはじめなきゃとかおもってたり。

日本の笑顔、まけてません^^

  • #amXlFcx2
  • URL
  • Edit

2009.11.26 Thu 17:02  |  

史ちゃん

そうだよね、やっぱりまずは自分の友達や家族とか、身近にいる人との関係から始めなきゃね。
そして、それぞれの任地にいる間は、そこで出会う一人一人との関係から。

きっとクラスの雰囲気、生徒たちの目の輝きは、その生徒と関わる先生の存在が良くも悪くもすごく影響するんだろうなって思う。
これからも生徒を愛し、生徒に愛される先生でいてね!

2009.11.29 Sun 12:25  |  

心のベクトル、まさにその通りだと思うな。
日本にいたときは、目の前でいっぱいいっぱいだったなあと思う。
だからベクトルも、短いし、いろんな方向に延びる余裕がなかった気がする。

ここにきて、いろいろ考える時間もいっぱいあって、ベクトルもいろんな方向に延びているうちに、いろんなことを考えていきたいよね。

ちょっと、やることがいっぱいあった日本の生活をいとおしく思ったり笑

  • #-
  • aiko
  • URL

2009.11.30 Mon 11:05  |  

aiko

そうだよね、協力隊として2年間という月日を過ごせるのは本当に特別なことだから、活動以外の時間も大事にしていろいろ考えていきたい。
でも、確かにおれも日本の生活が恋しくなるよ。
仕事ぶりから言ったら「窓際族」みたいな日もあるからね(笑)
アフリカでいろんな景色を見て、そこに溶け込み、いっぱい考えたり感じたりしてきて!

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Author:taku0805
名前: TAKU
職業: 村落開発普及員
(青年海外協力隊)
出身地: 埼玉県
現在地: ボリビア
目的地: 神様におまかせ

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